とある官女の日記 姫君の十歳の祝い
日も長くなり
夏に近づく今日、この頃にございます。
先日は十歳を迎えられた姫君の
お祝いを致しました。
かの光の君のように
愛らしい御童のお姿を
いつまでも、と思ってしまいましたが

唐華をちりばめた
朱赤の唐衣から
純白の裳が流れる様、
愛らしさの中に
艶やかな美しさがあり
これからの姫君の成長が楽しみでございます。

御母君も姫君のご立派なお姿に
感極まわれておられ
温かく見守っていらっしゃいました。
令和六年 皐月