とある官女の日記 如月の姫様
冬はつとめて・・・
京の如月は
まだまだ底冷えする寒さでございます
私、雅ゆきの御屋敷にて
官女をしております
此度、お越しになられた姫様は
まるでおひな様のような
麗しいお方様でございました
高貴な紅の匂いの五つ衣に
萌黄色、白色の十二単がとてもお似合いで
神々しいお姿に見入ってしまいました
大垂髪の御髪も気品あるお姿で
大変、素晴らしい姫様でございました
長年、十二単をお召しになることが夢だったそう
此度、その念願だった夢が叶い、
とても嬉しそうに
柔らかな笑顔を浮かべていらっしゃいました
姫様が笑顔になってくださり
私も嬉しい気持ちになりました
令和四年 如月